読み物

2024/02/29 06:00

https://kancoffee.base.ec/blog/2024/02/27/001946 :「甘珈琲をはじめた理由-1/n "嗜好品としての珈琲"との出会い」に続き、珈琲屋を開くに至った背景の第2回です。嗜好品としての珈琲に気づき、カフェ巡りにハマった日々について……



珈琲がただガツンとした苦みをもつ飲み物ではなく、複雑な色・味・香り・舌触りを持つ嗜好品と気が付いた大学2年時。
珈琲という飲み物に魅せられ、そしてカフェという空間に魅せられ、気が付いたら大学在学中に100軒以上のカフェに行っておりました。

今回はその中でも特に心打たれたお店を3軒ほどご紹介。

1.月詠珈琲(閉店/渋谷)
:渋谷駅、井の頭線の改札を出てすぐにある半地下の珈琲専門店。
店内はカウンター4席と非常にコンパクトながらカウンターの前に熱帯魚が入った大きな水槽があり、秘密基地のような空間が広がる。
珈琲はカフェインレス1種を含むブレンド3種を軸にエスプレッソドリンクや季節のドリンクもあり幅広い。
店名にもある月詠ブレンドはバランスが非常によく、「ホッとする味」として想起するそのもの。渋谷の町の喧騒の中に広がるゆったりとした空間で、一息つくのに最適な一杯。

コロナの影響か、20年6月頃に閉店となった同店舗。通っていたお店が閉店となる寂しさを初めて味わい、そういった観点からも思い出深い1店です。

2.coffee valley(池袋)
:池袋駅から徒歩数分の好立地にあるスペシャリティーコーヒー専門店。
店内は50席程度とかなり広々とした空間だが、人気も高いため土日のピーク時間などはかなり混んでいる記憶。
こちらのスペシャルな点は「3 PEAKS(スリーピークス)」という1種類の豆で、3種類のコーヒー(エスプレッソ/マキアート/コーヒー)の飲み比べができるセット。同じ豆でも抽出方法によって味わいが大きく変わるということをクリアに体感できるのが体験として非常に面白いものです。
珈琲に興味を持った方にまず連れていきたいお店です。

3.GLITCH COFFEE&ROASTERS(神保町/銀座/大阪/名古屋)
:都内だと神保町や銀座、他地域では大阪や名古屋にも出店しているライトローストのトップオブトップのスペシャルティコーヒー店。
(glitchさんに出会ったときは赤坂にあった店舗だったのですが、こちらは既に閉店となってしまったようです、、)
glitchさんには、浅煎りのおいしさを教えていただきました。
それまでは、苦みが強い珈琲(≒深煎りの珈琲)が好みで、浅煎りの珈琲は酸味が強く苦手だったのですが、こちらでいただいた一杯がそれまでの浅煎り像を覆し以後は浅煎りも探索するようになりました。
具体的にはそれまでの浅煎りの印象は「嫌なすっぱさ」があるものだったのですが、「透明感のある、のどにひっかかることのない透明な酸」の感覚を覚えたのがこの時でした。
「酸味がある珈琲はちょっと……」と思う方に、浅煎りの珈琲も美味しいんですよ!と伝えたいと思ったのもこの時からでした。


3/n:焙煎を始めた日 に続く